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「陸上競技の魅せ方」

陸上競技を初めて観戦する人は、「いろいろなところで競技をしていて、競技場のどこを見ればよいかわからない」と言う人が結構いる。自分が競技者だった頃はそんなことを考えたこともなかったが、観戦者となった現在は、フィールド競技等は特に、一番おいしい所を見逃すことがあるので、その気持ちはよくわかる。
実際に、昨日観戦した織田記念陸上で起こった「ハードル並べ間違い」による再レースも、「決勝なのになんで2組あるんだろう?」と予選を見逃した私には、全く意味がわからなかった。私はその後に関係者に聞いてわかったが、競技場内の観客に説明はなかった。

そもそも陸上競技大会は”選手のための競技会”であり、”観客のための競技会”という認識はうすい。観客は、純粋にアスリート達の卓越したスピード、パワー、そして勝負をみたいわけだから、ジャニーズが歌を熱唱する必要はない。しかし、もっと「魅せ方」を工夫してはどうだろう?

昨年の大阪世界陸上は、競技の歴史や説明、出場選手のプロフィール、記録や勝負の見所が場内でアナウンスされ興味関心をひき、決勝前の効果音で観客をひきつけた。また、試合後には勝者へのインタビューによって、観客もその喜びを分かち合うことができた。せっかく、日本の陸上競技大会に一石を投じたというのに、一年も経たないうちに元に戻るのはもったいない。

アメリカやヨーロッパでは、競技審判員とは別に「競技会プロデューサー」が存在しており、観客の競技観戦をサポートしているという。
お金も人も必要ではあるが、日本でもぜひ、日本選手権やグランプリレースくらいは「陸上競技を魅せる」運営をしてほしいなぁと思う。
そうすることで、本当に選手と観客のための競技会ができあがるだろう。

2008-04-30
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