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「中学校駅伝」

先日、私は初めて全国中学校駅伝を観戦した。
というのも、解説を頼まれたからであるが、その白熱したレースには正直驚いた。
少子化が懸念されている昨今ではあるが、将来有望なランナーたちが素晴らしい走りをしていたのを見て、日本の未来は明るい!と感じた。

駅伝好きで有名な九州出身の私は、何を隠そう一度だけ福岡県中学校駅伝大会に借り出されて走ったことがある。それが忘れもしない、生まれて初めての駅伝だった。普通、駅伝は陸上部員が走るのが通例であるが私の中学校は違った。体育の先生達が相談して、校内マラソン大会の上位から駅伝メンバーにするという完全実力主義。監督は陸上部顧問ではなく、体育主任の先生という、学校をあげて”勝つためのチーム”を結成していた。おかげで?陸上部員は駅伝メンバーに入れず、男子は野球部、サッカー部、女子はバレー部、バスケ部という布陣であった。気合いが入ってる割には、練習は各部活中に行われた。当時バレー部だった私は、ボール練習に入る前のウォーミングアップでみんなより多く走る程度だった。
いよいよ当日。大濠公園1周2kを走るコースで私は1区を任された。あまり覚えていないが、とにかく全力で走って、優勝候補の学校とデットヒートを演じた。中学校の先生も大興奮!ところが、タスキを取るのを完全に忘れていた私はあえなく区間2番になってしまったというオチが待っていた。だって、誰もタスキを取ることなんて教えてくれなかったんだもん、仕方ない。ちょっとホロ苦い初駅伝は、思い出深いレースだった。

中学校駅伝の全国大会は今年で13回目を数えた。私はもっと昔からあったのかと思っていたが、「中学生が駅伝なんて・・・」という概念があったからだろうか、その歴史は意外に浅い。今年は優勝候補の中学校が破れるという波乱があったり、スタートでタスキがないチームが出たり、失敗も見れられた。
私は中学生の駅伝を否定も肯定もしないが、大事なのは、「選手は失敗を恐れない」「先生は失敗を怒らない」ことだと思う。
全国大会といっても、中学生!失敗経験も成功経験も、大舞台での経験が将来とても役に立つに違いない。
久しぶりに、失敗だらけの中学校時代の自分を思い出したひとときだった。

2005-12-31
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