「ニッポン人は五輪が好き?」
いよいよ今日からスポーツの祭典”オリンピック”がアテネで開幕する。
連日のようにメディアでオリンピック情報を流しているため、私もいろいろな
種目の選手の、顔や生い立ち、現在の職業まで知っている、
かなりのオリンピック通になってしまった。
オリンピックがこれだけ茶の間の関心事になったのはいつの頃からだろう?
私が初めてオリンピックを見たのは小学校の時、1984年のロサンゼルスオリンピックである。
開会式で宇宙飛行士が降り立った映像と、モーゼスが選手宣誓をトチったことはいまでも覚えている。そして何より幼少の私の心に残っているのはカール・ルイスだ!
アメリカ人はスゴ~い!と目を丸くし、オリンピック選手への憧れが芽生えた。
そして、ソウル、バルセロナ、アトランタ、シドニーと、日本選手の活躍と共に、オリンピックが映像として我々の生活に浸透し、選手個人の情報までがタレントのように紹介されるまでになった。あまりの報道ぶりに、ホントはスポーツを見てるのではなくて、選手のルックスを品評してるんじゃないの?と思う時もある。
実は、今日まで本学女子駅伝チームが合宿をしていた所に、アテネオリンピック
1万米代表の田中めぐみ選手が最終調整に訪れていた。
フィールドでサッカー遊びをしていた家族連れのボールが、再三グランドを走っている田中選手に当たりそうになったため、『彼女はオリンピック選手で、大事な練習をしているのでボール遊びはもう少し離れてやっていただけますか?』と見かねて私が言ったら「ふ~ん、顔見たことないね。関係ないよ」と全く無視された。
やっぱり、日本人はメディアに踊らされているだけなのかな?と寂しくなってしまった。
また、オリンピックの過熱度とは裏腹に、日本はオリンピック終了後のオリンピアンに対する賞賛、報酬、保証が先進国で一番低いといえる。
かろうじて金メダルを獲得したメジャースポーツのオリンピアンは、まだその後の就職も苦労していないようであるが、入賞を逃したマイナースポーツのオリンピアンにはオリンピックという夢の舞台が終了したら、過酷な現実が待っている。
4年後のためのスポンサー探し、トレーニング゙環境の整備等、またツライ道のりが待っているのだ。挙げ句の果てには、まだ競技を続けたいのに、「いつまでスポーツにうつつをぬかしているんだ!」とでも言うように、そこそこの年齢であれば周囲が引退をすすめるような風潮があるのだ。
あれだけオリンピックの時に持ち上げといて、それはないだろ~~!と思う。
タレントの和田アッコさんが、速攻女子ホッケーチームをサポートした実行力を、JOCはもっと見習ってもらいたい。
ともあれ、我々ニッポン人は、まもなく開幕するアテネオリンピックでの選手達の活躍を楽しみにしているのは間違いない。
そして、アテネオリンピックでの映像は、多くの子供達に夢を与えるだろう。
しかし、その興味がオリンピック終了後も持続し、努力を重ねて日の丸を付けた選手たちの支えになるようなサポートを、国も国民もしてほしいと願う。