「人ごとだから言えること」~2003東京国際女子マラソン~
全日本大学女子駅伝を1週間前に控え、コラムを書いてるヒマはないのだけれど、同級生でお友達でもある高橋尚子選手の昨日の姿を見てパソコンに向かってしまった。
レースを見ていて、私も「こりゃ間違いなくエネルギー切れだ~!」と思った。私達のなかではよくあることだ。特に学生時代の練習の時なんて、夕方の距離走なんかは4限後に走るのでお昼たべて5時間くらいたってから20kほど走るのだからよく後半はバテバテになる。
私の1つ上の本川さん(一美、現本学駅伝コーチ)なんて、本当に走れなくなってしまって、道を歩いている人に100円を恵んでもらい缶コーヒーを買おうとしたら110円になっていて買えなかった・・・(時代がバレる・・・)!ということもあった。
話はそれたが、彼女の場合”絞りすぎ”だったことは言うまでもない。女性の場合、28歳を越えたくらいから、女性ホルモンが安定することでそんなに体重が増えなくなる。(ダイエットが成功しやすくなる)。また食欲もそんなに旺盛ではなくなるような気がする。
また一流になればなるほど、試合が近づくと自然に身体がベスト体重になるものなのだ。
高橋尚子選手も自分で『体重計に乗らなくても体重がスーっと落ちた』と言っているように、ウエイトコントロールにはさほど苦労していないようだった。しかし、今回のようなハードなコース+高温のレースではエネルギーの消耗はいつも以上だったと想像する。
ランナーは試合前の調整段階に入ると、体重を0.1kg単位で微調整していかなければ
いけないのだ。なぜなら、きちんといつもどおり食べていたとしても、緊張感等の精神的な理由で吸収率は大きく変化するからだ。
私もレベルは違うが、福岡ユニバーで倒れた時の嘔吐物に、前日食べた物が消化されずにそのまま出てきたのを見てそう実感した。
そういう意味でも、きちんと体重計に乗って調整していなかったのは大きなミスだと言える。
ただ、終わったことをとやかく言うつもりはない。
それよりも、レース後の彼女の表情やコメントを尊重したい。
普通なら「泣き崩れる」とか「次回の再起を口にする」ようなものだが、彼女は現実をとてもまっすぐにとらえ、現時点で次のレースを口にしていない。
(小出監督は名古屋を走らせたいようだけど・・・)
高橋尚子選手は東京を走るにあたって、ものすごい努力をしてきたのだと思う。
環境の変化や多くのプレッシャーに対応し、ここまで自分を持ってきたんだから、そりゃまたフルマラソンを走るために調整しよう!なんてことはすぐには決断できないに違いない。
彼女の集中力はズバ抜けているだけに、一度使い果たした集中力をもう一度高めるのにも時間がかかるのだ。少し休んで決めても遅くない。エントリーだけして、残りのレースを静観するのもいいだろう。
名古屋を走るにしても、名古屋を走らずに五輪代表になっても、五輪代表落ちしたとしても、これだけ加熱した日本の女子マラソン界の中で、物議を醸すのは間違いないのだから。
ただ言えることはひとつ。
今大会の走りで高橋尚子がアテネ五輪代表になるのは難しいのは事実。
しかし来年8月のアテネ五輪でメダルを狙えるのは彼女しかいないのも事実。
Qちゃんガンバレ~~