「夏合宿の意義を考える」
まもなく梅雨明け、そしてインターハイが終われば、長距離では恒例の?夏合宿シーズンに突入する。今や、高校生も夏休みを利用して長期の合宿(しかも2~3回)を行うのは当たり前の時代となった。
昔は(ちなみに私の高校時代は)、せいぜいお盆くらいに3泊くらいで高校の所有する
保養施設を利用して合宿するくらいであった。しかし、いつしか実業団も大学もそして高校生も避暑地や高地で長期合宿をし、一日何十㎞もの距離を走り込むようになったのである。
そういう我が順天堂大学も、「女子駅伝強化合宿」と銘打って、この夏2回の合宿を実施するが、私が合宿で一番大事にしているのは、走行距離ではない。
私が、本学の合宿で最も選手達に身につけてもらいたいことは『チームワーク』である。陸上競技は個人スポーツだ。しかし、駅伝とリレーは陸上競技の中で唯一のチームスポーツであり、協調性や意志統一なくしては戦えないからである。
とりわけ、陸上選手(特に長距離ランナー)は”自己中心的””マイペース” ”わがまま”な性格の人間が多い(私の個人的な考えです!)。そういう個性派集団が、駅伝の時だけ団結しようなんて所詮無理な話であって、寝食を共にし、同じ時間を共有することで目に見えない団結力が生まれてくるのだと私は信じている。
また、指導者が選手全員に目標をハッキリ明言し、そのための努力目標を確実に選手に
浸透させることも、合宿の重要な目的といえるだろう。
指導者の目標はチームの目標であり、選手達の目標は指導者の目標なのである。
涼しいところでガンガン走りこんで、根性を付けさせるのも結構。しかし、合宿後の選手達の心の中に「あ~きつかった!」しか残らないような合宿をしてはいけない。
『達成感』や『向上心』そして、これだけやったんだから秋は絶対に走れるぞ!という『自信』を植え付けられるような合宿ができればいいな~と思う。
決して安くない合宿費を負担させて参加させるからには、その成果を秋に発揮させることが指導者の任務である。それができてはじめて、今年の夏合宿が成功したかどうかがわかるというもの。世の指導者のみなさん、そして選手諸君、がんばりましょう!!