「伝える気持ち」
人に何かを伝えることはとても難しい。
簡単な伝言であっても、ニュアンスによって全然とらえる意味が変わってくることだってあるからだ。
でもスポーツは間違いがない。
激闘も敗北も歓喜も感動も、何の説明をつけなくても見ているだけでそれは直球で飛び込んでくる力がある。
混じりけのない“純粋な気持ち”“真剣味”こそが人々の心をとらえるのだと思う。
コーチという仕事の中で一番つらいのは、自分の気持ちを選手達に伝えることが出来ない時だ。
それは私の力量不足、「伝わらない」のは「伝えようとする気持ち」が足らないからなんだ、と反省することもしばしばである。
私の高校の恩師・筑紫女学園高校の河村邦彦監督は、とても口数が少ないけれど、じっと見られているだけで、私はたくさんのことを教わった。
大学の恩師・現順天堂大学陸上競技部総監督の澤木啓祐先生は、細かな指示や、時には語気を荒げた指導で、私は陸上競技をより専門的な視野でみることを教わった。
とても対照的な2人であるが、私が“陸上競技”を通して教わったことは計り知れない財産となっている。
「鯉川なつえ WEB SITE」の開設にあたり、陸上競技、コーチング、女性スポーツ等様々な情報や私の考えを、みなさんに純粋で真剣に『伝える気持ち』を大切にしてスタートしたいと思う。
2003-02-03