同期の花
10月30日は「全日本大学女子駅伝」だった。
写真は、そこでの1枚。
言わずと知れた高橋尚子さんはテレビ解説、山口衛里さんは環太平洋大学の監督、
そして私は順天堂大学の監督として参加した。
私たちは、それぞれが違うルートを進みながら、同じ時代を駆け抜けた。
Qちゃんは高校、大学は1500mを中心としたスピードランナーだった。
彼女は「無名だった」とよく言われるが、実は学生時代に日本学生選手権の
1500mチャンピオンになっている。そしてそのレースは、私がQちゃんに負けた
唯一の大会でもあった。(無論、実業団時代は一緒に走らなかったからだが、、、。)
そしてその後、実業団に進み、小出義雄監督によってマラソンの素質を開花させた。
衛里ちゃんは名門西脇工業高校から実業団チームに進んだ。
天満屋では、じっくりと時間をかけてマラソンに移行しオリンピック入賞を果たした。
引退後のセカンドキャリアは、大学に進学し、スポーツ科学を学んだ勉強家でもある。
私は高校から陸上を始め、大学、実業団、大学院と進み現職である。
私たち3人の共通点は、「全国高校駅伝や国際駅伝が多数できた、スポーツバブル世代」
だったということだろうか。
つまり、日本全体がスポーツにお金を投じ、年々、女性アスリートもメディアに
取り上げられる機会が増えた時代だった。
それに伴い、スポーツ科学も大きく発展したように思う。
昔の「水を飲んではいけない」「ご飯を食べてはいけない」「痩せなくては走れない」
と教えられた「不遇の時代」をも、全力で走り抜けてきたわけだ。
昔も今も知っている私たち3人が揃った瞬間、つい、「近況と昔話」に
花が咲き、競技場で一瞬「女子会」になりかけてしまった(笑)。
そして短い時間で、女子学生の「変わるべきことと、変わってはいけないこと」
を確認し、「お互いに頑張ろう!」とエールを送り合って、それぞれの「仕事」についた。
私たちの今の立場での”役目”を果たすために。
同期っていいもんだ。